太陽光発電には、電気代の削減や売電収入、防災対策などさまざまなメリットがあります。
さまざまな恩恵を受けられることもあり、「太陽光発電を検討している」「太陽光発電が気になる」という方も多いのではないでしょうか。
一方で、初期コストがかかることや天候に左右されるなどの注意点もあります。どのようなメリットや注意点があるかを把握し、そのうえで太陽光発電の導入を検討することが大切です。
この記事では、太陽光発電にはどんなメリットがあるかや注意点、設置前に知っておきたいポイントを紹介します。
太陽光発電とは
太陽光発電とは、屋根などに設置された太陽光パネルに太陽の光が当たることで電気を作り出すシステムです。太陽光パネルは太陽光で発電を行うためのパネル状の設備で、太陽電池モジュールや太陽電池板などさまざまな呼び方があります。
太陽光パネルはシリコン半導体などでできており、太陽の光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する仕組みを持っています。
複数の太陽電池を組み合わせた太陽光パネルで構成され、発電した直流電力はパワーコンディショナーで家庭や事業所で使える交流電力に変換される仕組みです。発電した電気は自家消費をはじめ、蓄電池に蓄えたり、余剰分を電力会社に売却したりなどもできます。
太陽光発電が注目される背景
日本は2020年10月に脱炭素社会を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、翌年の2021年4月には2030年の温室効果ガス46%削減への取り組みを開始しました。
この取り組みの目標を達成する手段の一つとして、国や自治体は太陽光発電の普及を積極的に推進しています。
太陽光は再生可能で枯渇しないクリーンエネルギーであり、二酸化炭素を排出しません。メンテナンスもしやすく、家庭や事業所での自家発電手段として広く普及しています。
太陽光発電の注意点やデメリット
太陽光発電には多くのメリットがある一方で、導入や運用にあたってはいくつか注意すべき点があります。
ここでは、太陽光発電の注意点やデメリットを解説します。
初期コストがかかる
太陽光発電のデメリットの一つは、初期コストがかかることです。
経済産業省(資源エネルギー庁)が公開しているデータによると、2024年のシステム費用の平均値は28.6万円/kWとされています。一般家庭の場合、太陽光発電システムに必要な発電容量は3〜5kW程度であり、3kWの場合は85.8万円、5kWの場合は143万円となります。
この費用は、太陽光パネルをはじめ、パワーコンディショナー、架台、設置工事などを含めた費用です。また、設置場所の条件や屋根の形状、メーカー、工法、追加オプションによっても総額は変動します。
ただし、太陽光発電の初期費用は年々下落傾向にあり、以前に比べると導入しやすくなっています。
天候に左右されやすい
太陽光発電のデメリットの一つは、天候に左右されやすいことです。
晴天時には発電効率も高く、多くの電力を安定して生み出すことが可能です。しかし、曇りや雨の日は太陽光が遮られるため、晴天時に比べると発電量が大幅に低下します。
さらに、季節による日照時間の変化や夏場の高温、冬場の積雪なども発電量低下の原因になります。このように太陽光発電は、天候や気候条件に強く依存しやすいため、発電量が安定しにくい点に注意しましょう。
太陽光発電の導入を検討している場合は、設置前に地域の気象条件を調査し、発電量のシミュレーションをすることが重要です。
定期的にメンテナンスが必要になる
太陽光発電の注意点は、定期的にメンテナンスが必要となり、手間や費用がかかることです。
太陽光パネルやパワーコンディショナーなどの機器は、屋外に設置されるため、経年劣化や汚れなどの影響を受けやすくなります。場所によっては落ち葉や雑草、鳥のフンなどの影響も受けやすく、放置すると発電効率の低下や故障の原因になります。
ただし、メンテナンスは依頼した業者で行ってもらえることも多く、故障がなければ費用が高額になることは少ないです。不安に感じる場合は、太陽光発電の導入前に業者へ、メンテナンスの頻度やコストについて確認しておくことが大切です。
パワーコンディショナーの設置が必要になる
太陽光発電を導入する際の注意点の一つは、パワーコンディショナーの設置が必要になることです。
パワーコンディショナーは太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭や事業所で使える交流電力に変換するための必須機器です。設置時に本体価格や工事費用がかかり、さらに寿命が10年〜15年と短いため、システム運用中に交換費用も発生します。
また、パワーコンディショナーは精密機器であるため、安定した運用や安全な使用のために定期的な点検やメンテナンスが必要です。故障や性能低下があれば、発電システム全体の効率や安全性にも影響が生じます。
太陽光発電の導入前に、パワーコンディショナーのコストや点検の有無、頻度なども確認しておきましょう。
太陽光発電のメリット
太陽光発電を導入することによって、経済面や地球環境、防災対策などさまざまなメリットがあります。
太陽光発電にどのようなメリットがあるか把握しておきましょう。
電気代が節約できる
太陽光発電を導入するメリットは電気代が節約できることです。
発電した電気はそのまま家庭用の電気として使えるため、電力会社から購入する電気の量を減らせます。また、電力会社のプランは電気の使用量が多くなるほど料金単価が上がる従量課金制が多く、自家消費が増えると電力会社からの買電量が減り、適用される料金も下がります。
さらに昼間の電気代は夜間に比べて高く設定されていることも多く、太陽光発電の電気を使うことで高単価の電気購入を抑えることも可能です。
電気代高騰の影響を受けにくい
電気代高騰の影響を受けにくい点も、太陽光発電のメリットの一つです。
近年は、国際的なエネルギー価格上昇や世界情勢の影響などで電気料金の高騰が続いています。
太陽光発電を活用すれば、発電した分だけ電力会社から購入する電気量を減らせるため、電気代高騰のリスクを抑えられます。また、太陽光発電はエネルギー源が太陽光であるため、燃料費の変動リスクにも左右されません。
売電収入を得られる
太陽光発電の経済的なメリットとして、売電収入が得られることも挙げられます。
発電した電気は自家消費し、余った分を電力会社に売ることで収入を得ることが可能です。この売電収入は、固定価格買取制度(FIT)によって一定期間は安定した価格で売却できます。
売電収入は初期費用の回収やローン返済、電気料金の支払いなどに回すこともできます。
防災対策にも効果が期待できる
太陽光発電のメリットは防災対策にも効果が期待できることです。
太陽光発電のパワーコンディショナには、自立運転機能が搭載されています。この機能により、電力会社からの供給がストップしても、太陽光発電システムがあれば発電した電気が利用可能です。
災害発生時にも照明や冷蔵庫、スマートフォンの充電など、生活に必要最低限の電気を確保できます。また、テレビやラジオによる情報収集、家族や友人との連絡手段なども可能になります。
環境に優しい
太陽光発電は、環境に優しいエネルギー源として大きなメリットがあります。
化石燃料を使用する火力発電と異なり、太陽光発電は地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出しません。太陽光は半永久的に利用できるため、持続可能な社会の実現にも大きく貢献します。
さらに騒音や有害物質などもほとんどなく、生態系への影響も小さい点もメリットです。
また、住宅や建物の屋根に設置する場合は既存の土地を活用できるため、新たな土地開発も必要ありません。
夏は涼しく冬は暖かくなる
太陽光発電の導入によって、屋内が夏は涼しく冬は暖かくなるメリットもあります。
なぜなら、太陽光パネルが屋根に直射日光が当たるのを防ぐため、屋根自体の温度上昇を抑えられるためです。これによって夏場は屋根裏や室内の温度上昇が緩和されて、結果として屋内が涼しくなりやすい環境を作れます。
また、パネルと屋根の間にできる空気層が断熱材のような役割を果たし、冬場は外の冷気が室内に伝わりにくくなる効果も期待できます。
条件を満たすと補助金が使える
太陽光発電は条件を満たすと、国や自治体の補助金を申請できる場合があります。
国による太陽光発電単体の補助金制度はないものの、都道府県や市区町村の場合は補助金制度を設けている場合もあります。ただし、蓄電池を併設することが条件になっているケースも多いため、事前に補助金制度の概要を調べておきましょう。
太陽光発電導入前に知っておきたいポイント
太陽光発電を導入する際にはいくつか知っておきたいポイントがあります。
ここでは、具体的なポイントについて解説します。
蓄電池との併用が便利
太陽光発電を導入する際は、蓄電池との併用がおすすめです。
その理由は、発電した電気を夜間や悪天候時にも使えるようになり、電気代の節約効果が高まるためです。災害時や停電時にも貯めた電気を使えるため、非常時の電源としても安心です。
そもそも蓄電池とは、電気を充電して蓄えておき、必要なときに繰り返し使える二次電池のことです。太陽光発電単体だと電気を「使う」「売る」の選択肢となりますが、蓄電池を併用すると「貯める」選択肢も加わり、電気の有効活用ができます。
さらに太陽光発電と蓄電池を同時に設置すると、工事や設置費用を抑えやすく、経済的にもメリットです。
シミュレーションを行う
太陽光発電を導入する際には、シミュレーションを行うことが大切です。
シミュレーションを行うことで、太陽光発電の導入にどれくらいのメリットがあるかを把握できます。
シミュレーションすべき内容は以下の2つです。
- 収支シミュレーション
- 年間発電シミュレーション
収支シミュレーションでは、初期費用やメンテナンス代の見積もりなどのコストと、電気代の節約額、売電収入などのシミュレーションを行います。太陽光発電導入による収支バランスを把握し、コストの回収期間や経済的なメリットがどれくらい期待できるか把握しましょう。
年間発電シミュレーションでは、自宅の屋根の面積や方角、地域の日射量などを考慮し、年間でどれくらい発電できるかを予測します。
これらのシミュレーションは自身で正確に行うことは難しいことから、太陽光発電業者に依頼するのがおすすめです。
信頼できる業者選びが重要
太陽光発電を導入するにあたって、信頼できる業者選びが重要です。
その理由は、太陽光発電システムは長期間にわたって使用する設備であり、設置後の発電効率や安全性、トラブル対応、アフターサービスなどが業者の質によって大きく左右されるためです。
信頼できる業者を選ぶことにより、適正価格での導入や施工不良、トラブル防止、長期的な満足感を得ることにつながります。
信頼できる業者選びのポイントとしては以下が挙げられます。
- 長年の実績がある
- 地域密着型
- 自社での施工に対応している
- アフターサービスが充実している
- 現地調査やシミュレーションを行う
太陽光発電の導入を検討する際には、これらのポイントを意識しながら選びましょう。
まとめ
太陽光発電には電気代の節約や売電収入などの経済的メリットをはじめ、環境負荷対策、防災対策、屋根への設置による断熱効果で快適な住環境づくりにも役立ちます。
また、蓄電池と併用することにより、発電した電気を夜間や悪天候時にも使えるようになり、電気代のさらなる節約が期待できます。そのため、太陽光発電の導入を検討する際には、蓄電池の併用もおすすめです。
太陽光発電や蓄電池は長期にわたって使うものであるため、事前のシミュレーションや業者選びも重要となります。
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