太陽光発電の価格相場は?設置費用の内訳もあわせて紹介

太陽光発電の導入を検討するにあたって、価格が気になるという方も多いでしょう。

太陽光発電を設置するためには、太陽光パネルやパワーコンディショナーなどのパーツや工事費用もかかります。

複数の業者で相見積もりする際にも、価格相場や内訳を知っておくと便利です。

この記事では、太陽光発電の価格相場や設置費用の内訳などを紹介します。

太陽光発電の価格

太陽光発電の価格相場はどれくらいかご存じですか?

ここでは、太陽光発電の価格について解説します。

太陽光発電の価格相場について

経済産業省 資源エネルギー庁の資料によると、2024年における太陽光発電の価格相場は1kWあたり29.5万円です。

これは太陽光発電システムの設置費用を「発電容量1kWあたり」で換算した平均的な価格を意味します。例えば、4kWのシステムを設置する場合だと、「29.5万円×4=118万円」です。一般的な太陽光発電システムの設置容量は3kW〜5kW程度が主流となっています。

この単価は設置する家や建物ごとに異なる容量に対応できるように、比較しやすい基準として使われています。

出典元:経済産業省

太陽光発電の価格は容量で異なる

太陽光発電の価格は、設置する容量が大きいほど総額が高くなる一方、1kWあたりの単価はやや下がる傾向があります。

これは、設置する容量が大きいほど機器費用が高くなるのに対し、設置工事や申請手続きなどの固定費用は変わらないためです。例えば、容量が大きくなると必要なパネルの数は増えますが、工事費はそれほど増加しません。

また、パネル自体も大量発注によってコストダウンが期待できるため、1kWあたりの価格が下がります。そのため、1kWあたり29.5万円が平均的な相場であるものの、実際の価格は容量によって異なるため、比較が必要です。

太陽光発電の価格は設置方法で異なる

太陽光発電の価格は設置方法で大きく異なります。

例えば、新築住宅の場合は建設時の足場を流用できるため足場費用を抑えることが可能です。また、屋根の形状や特殊な工法が必要な場合は工事費が高くなる傾向にあります。屋根材や設置場所の条件によっても、必要な部材や工事内容が変わり、価格が上下します。

このように太陽光発電の設置費用は、「新築か既築」「屋根の形状」「設置場所」などによって変わるため、見積もりの際は設置方法ごとに行うことが重要です。

太陽光発電の補助金について

太陽光発電の補助金は、太陽光発電の導入費用の一部を国や自治体が助成する制度です。

住宅用太陽光発電については国の直接的な補助金はないものの、都道府県や市区町村の中には補助金制度を設けているところもあります。補助金の対象は新築限定、蓄電池、断熱基準クリアなど、自治体ごとにさまざまです。

補助金を利用できる場合、太陽光発電の価格を抑えることができます。ただし、申請期間や予算枠などが決まっているため、早めの確認が必要です。

太陽光発電の費用内訳

太陽光発電の設置には、どのような費用がかかるのでしょうか。

ここでは、太陽光発電の費用内訳を紹介します。

太陽光パネル

太陽光パネルは小さな太陽電池を複数集めて1枚の大きなパネルにしたもので、太陽光から受けた光を直流電力に変換する装置です。太陽電池モジュールとも呼ばれ、屋根の形状への対応やメーカーによって形が変わります。

太陽光パネルは太陽光発電の費用において多くを占める項目で、性能や発電効率が高いパネルほど高くなる傾向にあります。そのため、太陽光パネルが安いほど初期費用は抑えられるものの、長期的に見るとコストパフォーマンスが悪くなる場合もあるため注意が必要です。

パネル選びは、発電性能や耐久性、将来のメンテナンス性にも影響するため、複数のメーカーや種類を検討しましょう。

接続箱

太陽光発電の接続箱は、太陽光パネルで発電した電気をまとめてパワーコンディショナーに送るための装置です。接続箱1台あたり2〜6万円が相場であり、太陽光発電システム全体の費用に占める割合は大きくありません。

なお、接続箱は安全性や効率向上のため、逆流防止や落雷対策機能を持つタイプもあり、性能が高いほど費用も高くなります。屋外用は防水・耐候性が求められるため、費用が高くなる傾向にあります。

小規模な住宅では接続箱を省略し、パワーコンディショナーと一体化した製品を使うこともあります。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電された直流電流を家庭内で使える交流電力に変換する装置です。住宅用のパワーコンディショナーの価格はメーカーや設置場所によって変わるものの、工事費用を含めて25〜45万円程度が相場となります。

パワーコンディショナーの寿命は10〜15年であるため、システム運用中に1回は交換が必要になるケースが多いです。

また、パワーコンディショナーの中でも、ハイブリッド型や高性能モデルは価格が高めに設定されています。長期運用も考え、価格だけでなくアフターサポートや交換時の費用も意識しておきましょう。

発電量モニター

発電量モニターとは、太陽光発電システムの発電量や電力使用状況などをリアルタイムで確認できる機器です。現在の発電量や累積発電量をリアルタイムで表示し、日・月・年単位での発電データも確認できます。

発電量モニターの費用相場は5〜10万円ほどですが、メーカーや性能によって費用が異なる点に注意しましょう。また、メーカーやシステム構成によっては、発電量モニターが標準装備の場合とオプション扱いで個別に導入する場合があります。

太陽光発電において発電量モニターの設置は必須でないものの、利便性や安全性を高めるために重要な周辺機器です。

電力量計

電力量計は電気メーターとも呼ばれており、建物で使った電力量を数値で表示する機器です。

発電時に電力会社にどれくらい売電をし、電力使用時にどの程度の電力を買電したかを計測します。電力量計で流れた電気の総量を測定し、そのデータをもとに電気料金の算定やエネルギー管理が行われます。

電力量計は電力会社負担で設置・交換されることが多く、太陽光発電において個別の費用項目として計上されることはほとんどありません。ただし、地域や電力会社によっては設置や交換費用が使用者負担となる場合もあります。

架台

太陽光発電における架台は、太陽光パネルを屋根や地面に固定するための支持構造物です。

費用内訳の中で架台は、パネルやパワーコンディショナーに次ぐ主要な費用項目となります。架台の費用は1kWあたり2〜2.5万円ほどで、設置場所や屋根の形状、勾配、使用する素材によって変動します。

パネルやパワーコンディショナーに比べると高額ではないものの、設置の安全性や耐久性に直結する重要な部材です。

工事費用

太陽光発電の工事費用とは、太陽光発電の設置において以下の工事などにかかる費用です。

工事費用は全体の約25%前後を占め、屋根の形状や設置環境により大きく左右されます。例えば、屋根が複雑で足場やクレーンが必要になると工事費用もそれだけ大きくなります。

現場ごとの条件や工事内容によって幅があるため、見積もり時には詳細を確認することが重要です。

太陽光発電の維持や撤去にかかる費用

太陽光発電は初期コストだけでなく、ランニングコストや撤去する際には撤去費用もかかります。

ここでは、初期費用以外にどのようなコストが発生するかを解説します。

メンテナンス費用

太陽光発電の長期間の運用においては、定期的な点検や保守が必要となり、一定の費用が発生します。

屋根に設置している太陽光発電設備は目視で確認することが難しいため、業者に依頼してメンテナンスしてもらうのが一般的です。また、再生可能エネルギーの固定買取価格制度を受けた太陽光発電では、50kWを超える場合にメンテナンスが義務付けられています。

義務がなくても発電量や安全性を維持するためには自主的なメンテナンスや点検が必要です。

一般住宅の場合、メンテナンス費用の相場は1回あたり1〜4万円です。点検の頻度は3〜5年間に1回が推奨されており、点検で不具合が見つかった場合は別途修理費用がかかります。

保険

経済産業省では、出力10kW以上の太陽光発電設備について、火災保険や地震保険などに加入することを努力義務としています。なぜなら、自然災害や事故による損害リスクが大きく、事業継続性や周囲への損害賠償リスクに備える必要があるためです。

保険料の相場は設備規模や補償内容によって異なりますが、年間1万〜2万円が相場となっています。小規模な住宅用の場合はさらに安く保険に加入できます。

なお、太陽光発電関連の保険として、自然災害で太陽光発電設備が損傷し、発電できなくなった期間に本来得られるはずだった売電収入を補償する保険もあります。太陽光発電を導入する際は、保険の種類や費用なども事前に確認しておきましょう。

参考URL:経済産業省

鳩対策費用

太陽光発電のランニングコストとして鳩対策費用が挙げられます。

屋根上に設置した太陽光パネルの下は鳩が巣を作ることもあり、糞害や騒音、パネル、屋根の損傷などの被害が発生するケースもあります。太陽光パネルが大量の糞で汚れてしまうと、発電効率の低下にもつながりかねません。

被害を未然に防ぐためには、以下の対策が効果的です。

実際にかかる費用は、鳩対策の方法をはじめ、地域やパネルの接地面積、作業内容によっても大きく変わります。被害が深刻化する前に早めの対策や相談が大切です。

機器の交換費用

太陽光発電を長期的に使用する中で、経年劣化や故障によって以下の機器を交換しなければならないケースがあります。

機器の交換でどれくらい費用が発生するかは状況によって変わります。保証期間を超えている場合や、経年劣化による故障であれば基本的に全額自己負担です。保証期間内や業者のサポート内容によっては、一部負担や無料の場合もあります。

特にパワーコンディショナーや太陽光パネルは交換費用が高額になりやすい傾向にあるため、保証内容や業者のサポート内容を事前に確認しておくことが大切です。

まとめ

太陽光発電の価格相場は1kWあたり29.5万円前後であり、一般的な住宅用であれば100〜150万円前後が目安となります。

この費用には太陽光パネルをはじめ、パワーコンディショナーや工事費用、発電量モニターなども含まれます。太陽光発電は決して安くはないものの、長期的にみると初期コストを回収し、さらには売電収入で利益を生み出せます。

また、太陽光発電の導入にあたってソーラーローンなどもあるため、初期コストを抑えながら導入することも可能です。各自治体による補助金や国の支援制度を活用できることもあるため、導入前に確認しましょう。

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