太陽光発電は、地球環境への負荷軽減や電気代の節約、防災対策などさまざまなメリットがあります。
一方で、導入を検討するにあたって「初期費用が高い」「費用を抑えたい」など、お考えではないでしょうか。
太陽光発電の費用を抑える方法として、太陽光発電やエネルギーに関する補助金制度の利用が挙げられます。国や自治体によっては条件をクリアすることで、太陽光発電を導入する際に補助金を受けることも可能です。
この記事では、太陽光発電の補助金の内容や利用できる条件、注意点を紹介します。
国による個人向けの太陽光発電の補助金について
太陽光発電の補助金制度は刻々と変わっています。
ここでは、国による個人向けの太陽光発電の補助金に関する最新情報を紹介します。
国の太陽光発電単体設置の補助金制度は廃止
国の太陽光発電単体設置の補助金制度は2014年に終了し、その後も太陽光発電の設置や導入に関する補助金制度はありません。
そもそも太陽光発電の補助金とは、太陽光発電システムを設置する際に、その費用の一部を国や自治体が支給する制度です。「その目的は再生可能エネルギーの普及促進と設置者の初期負担軽減です。
国は太陽光発電の普及を推進している
国による太陽光発電の補助金制度はすでに廃止されていますが、現在も太陽光発電の普及を推進しています。
その理由は、太陽光発電は二酸化炭素を排出しない自家消費型のクリーンエネルギーで、住宅や企業の施設、自治体など多様な環境で使えるためです。
日本は2020年10月に脱炭素社会の実現を目指す「2050年カーボンニュートラル宣言」を行い、翌年の2021年4月には「2030年の温室効果ガス46%削減」への取り組みも行っています。
このような背景もあり、現在も国は太陽光発電の導入を促進しています。
国の太陽光発電単体設置の補助金制度が廃止された理由
国の太陽光発電単体設置の補助金制度が廃止された理由は、太陽光発電のコスト減少で購入しやすくなったためです。
以前は設置費用が高額だったこともあり、普及促進の目的で補助金制度を設けていました。しかし、普及が進むにつれてシステム価格や設置費用が低下し、補助金がなくても導入しやすい状況になったため、国の太陽光発電単体設置の補助金制度が廃止されています。
現在も太陽光発電単体設置の補助金制度は廃止されたままで、復活の予定もありません。
補助金がなくても費用回収はできる
国の補助金制度は廃止されているものの、十分に費用の回収を行うことができます。
経済産業省 資源エネルギー庁の資料によると、国内の太陽光発電システムの導入費は2012年が1kW当たり約46万円だったのに対し、2024年には約29.5万円までに下がっています。
一般的な家庭では3kWから5kWの太陽光発電が多いため、現在は約90〜150万円ほどで設置可能です。また、近年は太陽光発電システムの導入に利用できるソーラーローンも提供されており、比較的金利も低く、初期コストを抑えながら導入することもできます。
太陽光発電の導入に使える個人向けの補助金
国の補助金制度は廃止されていますが、自治体による個人向けの補助金が利用できることもあります。
ここでは、太陽光発電の導入に使える個人向けの補助金を紹介します。
都道府県の補助金
お住まいの都道府県によっては、太陽光発電の導入で補助金が受けられることもあります。
例として、2025年には以下のような太陽光発電に関連する補助金があります。(終了分も含む)
- 岩手県:いわて省エネルギー住宅建設推進事業費補助金
- 群馬県:個人住宅・事業者向け再エネ導入支援補助制度
- 栃木県:個人住宅用太陽光発電設備等導入支援事業
- 東京都:東京都公式・太陽光発電設備の設置に対する助成事業
- 神奈川県:神奈川県住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金
- 山梨県:再エネ設備導入支援事業費補助金
- 富山県:再生可能エネルギー導入促進補助金
複数の都道府県が太陽光発電の導入に対する補助金を実施しています。ただし、補助金額や条件は都道府県ごとに異なります。
中には、
- 新築のみ
- 蓄電池との併用
など、制限があるケースもあるため事前に確認しておきましょう。
また、申請期限や予算枠も限られているため、導入を検討している場合は早めにお住まいの自治体の公式情報を確認しておくことが大切です。
市区町村の補助金
太陽光発電の導入に使用できる個人向けの補助金は、市区町村レベルの自治体でも実施されています。
市区町村の補助金も、都道府県の補助金と同様に金額や条件が異なります。
中には、
- 蓄電池とのセット導入が必須
- 自家消費率の条件
など、交付要件が細かく設定されている場合もあるため注意しましょう。
市区町村の太陽光発電に関する補助金の情報は公式サイトに掲載されています。先着順や予算上限に達し次第終了となる場合も多いため、早めに確認しましょう。
ZEH補助金
ZEH(ゼッチ)は高い省エネ性能があり、太陽光発電などによる発生エネルギーと消費エネルギーの収支がゼロになる住宅です。
ZEH補助金はZEH住宅を対象に国が交付する補助金で、1戸あたり55万円、さらに高性能なZEH+基準を満たす場合は90万円(2025年度現在)が補助されます。太陽光発電単体では国の補助金はありませんが、ZEH仕様の住宅として太陽光発電を導入する場合は補助対象です。
この補助金は新築戸建て住宅のほか、既存住宅のZEH化リフォームにも一部対応しています。
DR対応蓄電池
太陽光発電と連携できるDR対応蓄電池を導入する際は、補助金が支給される場合もあります。
DR対応蓄電池とは、電力会社やサービス事業者の指示に応じて、家庭用蓄電池の充放電を自動的に制御できる蓄電池です。電力需要が高まった際に蓄電池から電気を供給したり、需要が低いときに蓄電池に充電したりすることで、電力システムの安定化に貢献します。
ただし、DR対応蓄電池の補助金を受けるためには、DRに対応した家庭用蓄電池を設置し、指定されたサービス事業者と契約することが条件です。また、太陽光発電と蓄電池を併用する場合に対象となる補助金であり、太陽光発電単体の設置では対象外となります。
法人/事業向けの太陽光発電に関する補助金
太陽光発電の補助金は、法人や事業向けにもあります。
ここでは、法人や事業向けの太陽光発電に関する補助金を解説します。
法人/事業向けの太陽光発電の補助金について
太陽光発電の補助金は、法人や事業向けにも用意されています。
法人や事業向けの補助金制度も、再生可能エネルギーの普及促進や、自家消費型の導入を支援し、エネルギーの地産地消や電気コスト削減を促すためです。
法人や事業向けの補助金は数多くの種類があり、制度ごとに補助率や上限額、対象となる設備、事業形態が異なります。補助金を活用して導入を検討する際は、最新の補助金制度や申請条件を必ず確認しておきましょう。
自社の事業内容や設備計画に合った制度を選ぶことが大切です。
補助金の種類
法人や事業向けの太陽光発電の補助金制度について、過去に実施されたものも含めて以下に紹介します。
上記は国の補助金制度ですが、地方自治体の中には補助金制度を独自に設けている場合もあります。これらは都道府県や市区町村が独自に実施し、国の補助金と併用できる場合もあります。
補助金申請は早めの準備が必要
補助金申請は準備や手続きに長い時間がかかり、早期に予算が終了することも多いため、早めの準備が必要です。
申請には業者選定からはじまり、見積取得、書類作成、審査、施工、完了報告など多くの工程があります。必要書類や条件が制度ごとに異なり、不備があると申請が遅れてしまう可能性もあります。
また、人気の補助金は申請が殺到しやすく、予定より早く予算が終了するケースもあるため注意が必要です。補助金によっては交付申請の予約等の仕組みが設けられており、予約で枠を確保しなければ、申請自体できなくなる場合もあります。
補助金申請の注意点
法人や事業向けの補助金を活用する場合は、補助金の主旨と自社事業の整合性に注意する必要があります。
補助金ごとに制度の趣旨や目的が明確に定められており、申請内容がその趣旨から外れてしまうと採択されません。
自社の事業計画が補助金の目的と合致しているかを事前に十分確認しましょう。年度ごとに内容や要件が変更されることも多いため、最新の公募要領や公式情報をチェックすることが大切です。
また、申請書類は審査項目を踏まえたうえで、第三者が見ても分かりやすく、全体の整合性が取れていることもポイントになります。
補助金以外に太陽光発電の初期費用を抑えるコツ
太陽光発電の初期費用を抑える方法は、補助金以外にもあります。
ここでは、補助金以外に太陽光発電の初期費用を抑えるコツを紹介します。
相見積もりをする
太陽光発電の初期費用を抑えるためには、相見積もりをして、複数の業者の価格やサービス内容を比較するのも方法の一つです。
複数の業者の価格やサービスを比較することで、適正価格を知り、そのうえで業者を選ぶことができます。ただし、相見積もりで業者を選ぶ場合は以下の点に注意しなければなりません。
- パネルのメーカー
- パネルの品番
- 工事内容
- アフターサービスの内容
- 見積もり内容
相見積もりで安く提示されても、性能や保証が劣る場合は、長期的に損をする可能性があります。
価格の安い太陽光パネルを検討する
比較的低価格帯の太陽光パネルを検討することで、初期費用を抑えることができます。
近年は安価でも高品質・長期保証のパネルが増えており、費用対効果の高い導入が可能です。ただし、極端に安いパネルは保証期間が短かったり、耐久性やサポート体制が不十分なケースもあります。
品質や保証内容も必ず確認し、総合的なコストパフォーマンスで判断することが重要です。製品保証や出力保証の年数や内容を必ず確認し、信頼できるメーカーかどうかもチェックしましょう。
0円ソーラーを利用する
0円ソーラーを利用すれば、初期費用を負担せずに太陽光発電設備を設置できます。
これは設置費用を事業者が一時的に全額負担し、住宅所有者は契約期間中、発電した電気の利用料金やリース料を支払うことで事業者が投資を回収する仕組みです。契約期間が終了した後は、太陽光発電設備が住宅所有者に譲渡されるのが一般的です。
契約中の点検や修理などのメンテナンス費用も、契約により多くの場合は事業者が負担します。
一方で、契約期間が終わるまでは発電した電力や売電収入が事業者側のものとなり、売電収入を得ることができません。途中解約時には、違約金や撤去費用がかかる場合もあります。
また、事業者指定の機器や施工業者になることが多い点にも注意が必要です。
契約内容や条件などをよく確認し、自分のライフプランや住宅の状況に合うかどうかを見極めましょう。
まとめ
以前に比べると太陽光発電単体の補助金制度は減っているものの、都道府県や市区町村の一部では実施しています。太陽光発電の導入には初期コストがかかるため、適用される補助金制度がある場合は積極的な利用がおすすめです。
補助金の内容や条件、申請期間は自治体ごとに異なるため、最新情報を確認し、早めに業者の選定や申請準備を進めることが重要です。
また、太陽光発電は初期費用だけでなく、信頼できる業者選びや長期的なコストパフォーマンスにも目を向けることが大切です。施工品質や保証内容、アフターサービスも総合的に比較検討しましょう。
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