日々の電気代高騰や災害時の停電に不安を感じる方は少なくありません。
蓄電池を導入すれば、電気代の節約と非常事態の電力供給を実現できます。しかし、高額な初期費用がかかるため、購入に踏み切れない方は多いのではないでしょうか。
実のところ、蓄電池の価格相場は低下傾向にあり、現状は導入のハードルは高くありません。
この記事では、蓄電池の価格相場が低下傾向にある理由や、今だからこそ得られる導入メリットを詳しく解説します。
蓄電池の価格を決定する要素や導入に必要な費用を知りたい方、価格を抑えるための具体的なポイントを知りたい方も、ぜひ最後までお読みください。
蓄電池の価格相場は低下傾向にある
近年、蓄電池の価格相場は全体的に低下傾向です。
資源エネルギー庁『更なる再エネ拡大を実現するためのエネルギー需給革新の推進~需給一体型モデルの活用~』によると、耐用年数15年の蓄電池の場合、2017年度は1kWhあたり22.5万円だった目標金額に対して、2018年度は1kWhあたり18万円、2020年度では1kWhあたり9万円まで低下しています。
この価格低下の背景には、技術の進歩と市場の拡大が影響しています。特に、電気自動車の普及によるバッテリー生産技術の向上と量産効果は、蓄電池のコスト削減につながっています。
また、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、蓄電池の需要が増加した結果、企業間の競争が激化し、製品価格が引き下げられている傾向です。
これにより、以前に比べて蓄電池の導入費用が抑えられ、一般家庭や企業にとっても導入しやすい環境が整いつつあります。
価格の安い今だからこそ得られる蓄電池導入のメリット
価格の安い今だからこそ得られる蓄電池導入のメリットは、以下の通りです。
- 電気代の節約につながる
- 災害時に非常用電源として役立つ
- ピークシフトを実施できる
ここでは、蓄電池導入で得られるメリットを詳しく解説します。
電気代の節約につながる
蓄電池を導入すると、電気代を節約できる可能性が高まります。
電力会社との契約プランによっては、電気料金が安くなる深夜帯に蓄電池へ充電し、電気料金が高くなる日中に蓄電池に貯めた電力を使用可能です。
これにより、割高な時間帯の電力購入量を減らし、効率的に電気代を抑えられます。電力料金プランを見直せば、さらに高い節約効果が期待できるでしょう。
災害時に非常用電源として役立つ
自然災害によって停電が発生した場合、蓄電池は有効な非常用電源です。
蓄電池に貯めていた電力を使用できるため、照明や通信機器、冷蔵庫などの家電製品を一定時間稼働させられます。
これにより、災害時でも生活への影響を最小限に抑えられるほか、安心感を確保できます。
特に、長期停電のリスクがある地域では重要性が高まるでしょう。
ピークシフトを実施できる
蓄電池を活用すると、電力需要のピーク時に電力会社からの供給に頼らず、蓄電池に貯めた電気を使用できます。
そのため、ピークシフトの実施が可能です。
ピークシフトとは、電力消費が集中する時間帯を避けて電力を使用する電力マネジメントの手法を指します。これにより、電力会社によっては設定されているデマンド料金(基本料金)の削減にもつながるため、電気料金全体の最適化を図れるでしょう。
蓄電池の価格を決める要素
蓄電池の価格を決める要素は、主に以下の6つです。
- 電池のタイプ
- 容量
- 変換方式
- 供給方式
- アフターフォロー
- 購入場所
これらを理解すれば、ニーズに合った蓄電池を選べるため、適正価格で導入するための判断基準を持てるでしょう。
ここでは、蓄電池の価格を決める6つの要素を詳しく解説します。
電池のタイプ
蓄電池の価格は、使用されている電池のタイプによって変わります。
主な電池のタイプは、リチウムイオン電池と鉛蓄電池の2つです。
リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度と長寿命が特徴です。近年では主流となっていますが、鉛蓄電池に比べて初期費用が高くなる傾向があります。
鉛蓄電池は比較的安価ですが、寿命やサイズに制約がある点がデメリットです。
容量
蓄電池の容量は、蓄えられる電力量を示すうえで欠かせない指標です。
容量が大きくなるほど、多くの電気を貯められ、長時間の使用や複数の電化製品への供給ができます。
しかし、容量が大きいほど製造コストや輸送コストが増加するため、本体価格も高くなりやすいです。必要な電力量を見極め、適切な容量を選びましょう。
変換方式
蓄電池システムにおける変換方式も、価格に影響を与えます。
主な方式としては、蓄電池に貯められた直流の電気を交流の電気に変換する、パワーコンディショナーの方式が挙げられます。
主なタイプは、以下の3つです。
- 単機能型:専用のパワーコンディショナーが独立
- ハイブリッド型:蓄電池と太陽光発電システムのパワーコンディショナーが共通
- トライブリッド型:蓄電池と太陽光発電システム、電気自動車の充電設備のパワーコンディショナーが共通
変換方式を選ぶ際は、太陽光発電システムとの連携や電気自動車の充電設備の有無なども考慮する必要があるでしょう。
供給方式
蓄電池の供給方式は価格を決定する要素で、特定負荷型と全負荷型があります。
特定負荷型は停電時に特定の回路のみに電力を供給するタイプで、比較的手頃な価格です。全負荷型は家全体の電気を賄えるタイプで、多くの機器に電力を供給できるため、価格が高くなる傾向があります。
使用目的を明確にし、ライフスタイルに合った供給方式の蓄電池を選びましょう。
アフターフォロー
蓄電池の価格は、導入後のアフターフォローや保証内容にも影響します。
長期保証や定期的な点検サービスが付帯していると、高額になりやすいでしょう。
しかし、万が一の故障やトラブル時に手厚いサポートを受けられるため、長期的に見ると安心につながります。アフターフォローの有無は、導入後の運用コストを抑える意味でも欠かせない要素です。
購入場所
蓄電池の価格は、以下のように購入先によっても変わります。
- 家電量販店
- 専門業者
- インターネット販売
専門業者は設置工事を含めたパッケージで提供する場合が多く、総合的に見てお得になる可能性があります。インターネット販売は本体価格が安い傾向にあるものの、設置工事は別途手配が必要です。
購入場所を比較する際は、複数の場所で見積もりを取り検討しましょう。
蓄電池の導入に必要な費用
蓄電池の導入に必要な費用は、主に以下の4つです。
- 本体価格
- 設置・工事費用
- メンテナンス費用
- 企業向けの費用
ここでは、蓄電池の導入に必要な費用を詳しく解説します。
本体価格
蓄電池の本体価格は、製品の種類やメーカー、容量、機能などによって異なります。
最新の高性能モデルや大容量の製品は、当然ながら高額になりやすいです。電力消費量や災害時のバックアップとしての利用頻度などを考慮し、最適な製品を選びましょう。
長期的なコストパフォーマンスがどれほどあるのか、把握してから購入してください。
設置・工事費用
蓄電池を導入する際は、本体価格とは別に設置・工事費用が必要です。
これには、蓄電池を設置するための基礎工事や、既存の電気配線への接続作業、電気工事士による配線作業などが含まれます。工事内容は、設置場所の状況や導入する蓄電池の規模によって異なるため、状況に応じて費用は変動します。
メンテナンス費用
蓄電池は長期的に安定して使用するためにも、メンテナンス費用が必要です。
定期点検や部品の交換、バッテリーの劣化による性能低下への対応など、発生する費用は使用者や環境によって異なります。メンテナンスを怠った場合、故障によって大きな修理費用が発生するケースもあるため、定期的なメンテナンスは欠かせません。
また、保証期間やメンテナンスプランも、メーカーや販売店によって異なります。特に保証期間は、メンテナンスが無償になるのか、有償になるのかを左右するため、契約前に確認しておきましょう。
企業向けの費用
企業が蓄電池を導入する際は、事業規模や用途に応じた特別な費用が発生する場合があります。
考えられる費用は、以下の通りです。
- 大規模な電力システムへの統合費用
- 特定の業務要件に合わせたカスタマイズ費用
- 複雑な申請手続きに関連する費用
また、企業の電力消費パターンを分析し、最適なシステムを構築するためのコンサルティング費用が発生する場合もあります。
蓄電池導入の価格を抑えるポイント
蓄電池導入の価格を抑えるポイントは、以下の4つです。
- 複数の販売店から相見積もりを取る
- 年式の古い製品を選ぶ
- 太陽光発電を同時に導入する
- 補助金を活用する
ここでは、蓄電池導入の価格を抑えるポイントを詳しく解説します。
複数の販売店で相見積もりを取る
蓄電池を導入する際は、複数の販売店から見積もりを取るべきです。
同じ製品でも、販売店によっては価格設定や工事費用、アフターサービスの内容が異なる場合があります。複数の見積もりを取って比較検討すれば、費用対効果の高い提案を選べるだけでなく、適正価格で導入できる可能性が高まります。
蓄電池導入の価格を抑えたいなら、複数の販売で相見積もりを取りましょう。
年式の古い製品を選ぶ
最新モデルにこだわる必要がない場合、年式の古い製品を選ぶと、蓄電池の導入費用を抑えられます。
型落ち品や旧モデルは、新製品が発表されるタイミングで価格が引き下げられる傾向があるため、安価で購入できる可能性が高まります。
ただし、最新モデルと比較すると、エネルギー変換効率や充放電サイクル回数などの性能面で劣るかもしれません。しかし、年式が経過しすぎていない製品であれば、基本機能や安全性能は十分に実用レベルを保っています。
そのため、購入時は日常の使用状況や停電時の備えとして、どの性能が必要かを具体的に見極めましょう。
太陽光発電を同時に導入する
太陽光発電システムと蓄電池の同時導入は、単体でそれぞれを導入するよりも、費用面で多くのメリットをもたらす可能性があります。
販売店や施工業者は、太陽光発電と蓄電池のセット導入に対して割引プランを設定しているケースも珍しくありません。設置工事に関しても、配線工事や基礎工事などを一元的に行えるため、個別で依頼するよりもトータルの工事費用を削減できるでしょう。
さらに、太陽光発電で発電した電力を蓄電池に貯め、家庭内で消費する自家消費率を高めれば、電力会社から購入する電力量を大幅に削減できます。
これにより、日々の電気代を抑えられるほか、導入費用の回収を早められます。
補助金を活用する
蓄電池導入の費用を大幅に軽減したい場合は、国や地方自治体が提供する補助金制度を活用しましょう。
これらの制度は再生可能エネルギーの普及を促進するため、蓄電池の購入や設置に対して費用の一部を補助してくれます。
蓄電池の導入時に活用できる可能性のある補助金は、以下の通りです。
- DR家庭用蓄電池事業:1申請あたり最大60万円
- 子育てグリーン住宅支援事業:1戸あたり64,000円(定額)
その他、地方自治体が実施する補助金制度があり、場合によっては併用も可能です。
ただし、補助金の内容は、年度や地域によって異なります。最新情報は各制度の公式Webサイトや、販売店・設置業者に確認・相談することをおすすめします。
また、手続きには、書類の準備や期間が必要です。情報収集を計画的に行い、要件を満たしているか事前に確認しましょう。
まとめ
蓄電池の価格相場は、低下傾向にあります。
価格の安い今だからこそ、蓄電池の導入は、電気代の節約や災害時のバックアップ、ピークシフトなど、多くのメリットを得られる状況といっても過言ではありません。
価格を決定する要素を理解し、本体価格や設置費用、メンテナンス費用を考慮した上で、ニーズに合った蓄電池を選びましょう。
また、導入費用を抑えるには、複数の販売店から相見積もりを取り、年式の古い製品を選ぶ、太陽光発電と同時に導入する、そして補助金を活用するなどのポイントが有効です。
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